父の夢

昨年実父が急死してしまい、その後私はショックからしばらく不眠に悩みました。
家で1人でいるときの急死で原因も「おそらく心臓発作」という程度のことしかわからない謎の死でした。
しかも亡くなってから2人暮らしだった母がが発見するまで半日以上経ってしまっていたので、
父がどのような最期だったのか、苦しんだのか…、など想像だけが掻き立てられてしまい、悲しみや後悔に苛まれていました。

亡くなってからしばらくは、夜床につくと父のことを思い、うとうとしかけてもまた目が冴えてしまったり、なぜか暗闇が怖くて、早く朝になってほしいという思いで過ごしました。昼間は育児があり忙しかったので、それが幸いし普通に過ごせましたが、また夜になれば父を思い…、というループでした。

一ヶ月経つころには体も辛くなってきてしまい、かかりつけの内科で相談すると、睡眠薬ではないけれど鎮静作用のある安定剤をもらいました。

それを寝る前に1錠飲むと、6時間ほど眠りにつくことができるようになりました。
そして眠れるようになったことで、「父の夢」を見るようになりました。

夢とは不思議なもので、亡くなっていることはわかっているのに、普通に一緒に車に乗っていたりして
「どうして死んじゃったの?」などと聞いています。
そして父は
「う~ん、自分でも全然わからないんだよね」と笑っているのです。
「前から具合悪かったりしなかったの?」「う~ん、全然」
とそんな調子です。しかも私たちはなぜか笑いながら和やかに話しているのです。
もともと口数の少なかった父なので、夢の中でも亡くなった状況を朗々と語ることはなく、ただ「全然わからない」と笑っている…、
そんな夢を見ることを繰り返すうちに、いつしか
「父は突然だったけど、苦しまずに亡くなったんだ」
「年取って自分で動けなくなったら嫌だな~と言っていた父だから、悪い最期ではなかった」
と自然と思うようになってきました。

誰にも看取られずに亡くなってしまい、可哀相だった、申し訳なかった、親不孝だった・・・、
と考えて続けていた私を、父は夢の中で「全然」と笑うことで、父の死を乗り越え前向きに進む道を示してくれたのだと思います。

安定剤は2ヵ月は飲み、その後半錠にして減薬しながら約半年で飲まなくなりました。
そして父の死から1年経つ今、父のことを思って眠れないという日はなくなりました。
だた「全然」と笑う父は月1くらいの頻度で夢に登場しています。
父に会うことができる、楽しみな夢です。

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